フォトセッションというのは
撮影者と被写体のカメラを通した静かなる対話だと私は考えています。

それは即興芝居のように、
あるいはジャズセッションのように、
ポーズを指示しないフォトセッションだからこそ、
心が自由になった時、初めて見えてくるその人らしさというものがあります。

もしこのフォトセッションで当人も他者も知らない魅力が写せたとしたら、
それはもうセッションの大成功と言えるのではないでしょうか。

ジョハリの窓、という心理学の用語があります。
私がお芝居を学び始めた頃、講師から教わった言葉です。
日本和紙写真協会に入った時、再びこの言葉を田中会長から聞き、
ポートレートとも記念写真とも異なる
『フォトセッション』というものが腑に落ちました。

【ジョハリの窓】
1.開放の窓 自分も他人も知っている私
2.秘密の窓 自分だけが知っている私
3.盲点の窓 他人は知ってるけど自分は知らない私
4.未知の窓 自分も他人も知らない私

この4番目の未知の窓をPhotosessionを通じて開放できたらと思います。
無意識の域に達することができたなら、その窓はきっと開かれます。
そして、たった1枚の写真がその人を応援する追い風になれたとしたら、
私は本当に嬉しく思うのです。